テレビ放送とケーブルテレビに関する基礎知識

テレビ放送の種類

テレビは大きく分けては3種類の放送があります。
地上波放送と、BS放送と、CS放送の3種類です。

地上波放送


地上波放送は各県に放送局があり、電波塔から電波を送っています。
東京タワーや、東京スカイツリーなどは有名な電波塔ですね。
富山県では北日本放送、NHK、NHK教育、チューリップテレビ、富山テレビ放送が地上波放送です。
北陸朝日放送は石川県の放送局です。

BS放送


BS放送は、放送局から、宇宙にある衛星を通して電波を送っています。
BSとはBroadcasting(放送) Satellites(衛星)の略です。
宇宙を通すため、日本中どこででも電波の受信が可能です。
NHKや、BS日テレ、BSテレ東、BSTBSなど、東京の放送局が見られるのはその為です。

CS放送


CS放送はBSと同じく宇宙にある衛星を通して電波を送っています。
CSとはCommunication Satellitesの略です。
キッズステーションやアニマックス、衛星劇場やチャンネルNECOなど、数十種類のチャンネルがあります。

4K・8K放送

4K、8Kとは一体何のことでしょうか?
まず、画質について解説します。

名前解像度画素数備考
SD画質480p720×480SDはStandard definition televisionの略。ケーブルのHD対応じゃないチャンネルや、
アナログ放送がこの画質。
HD画質720p1280×720HDはHigh definition videoの略。ケーブルのHDチャンネルはこの画質。
フルHD(2K)1080p1920×1080従来のBS、CS放送はこの画質。1920がほぼ2000の為、2Kと呼ぶ。
地上波もこの画質(正確には1440×1080を引きのばしてる)
4K2160p3840×2160BS、CS放送のみで始まった新画質。3840がほぼ4000の為4Kと呼ぶ。
8K4320p7680×4320NHKのBSのみで放送している。7680がほぼ8000の為8Kと呼ぶ。

4K・8K放送は横幅の画素数が4000弱、8000弱のかなり画質が良い放送ということですね。
4K・8K放送はその高画質が理由で、地上波放送の電波では送信できません。
衛星放送を通して送信しています。
BS放送の内容を、より綺麗な画質で送信しているのが、4K・8K放送です。
今のところ4K・8K放送はより綺麗に見られるだけで、4K・8K放送でしか見られないオリジナルコンテンツなどはありません。

テレビを視聴するために必要なこと


一戸建てでTVを見るためにはアンテナを取り付けるか、ケーブルテレビに加入する、もしくはNTT系のフレッツテレビに加入する必要があります。

アンテナ


アンテナは地上波用のアンテナとBS・CS用のアンテナがあり、下の画像のような見た目です。

地上波用アンテナ UHFアンテナ
BS用アンテナ パラボラアンテナ

富山県では、アンテナでは北陸朝日放送(HAB、5ch)が視聴できません。
北陸朝日を見るためにはケーブルテレビ、もしくはフレッツテレビに加入する必要があります。

ケーブルテレビ

ケーブルテレビはアンテナなしでテレビを視聴できます。
ケーブルテレビ局が地上波放送とBS放送、CS放送を受信し、ケーブル線を通して各家庭にテレビ信号を送信します。
富山県のケーブルテレビ局では、石川県の放送である北陸朝日放送を受信し、各家庭に送信しています。
北陸朝日放送を見るためにケーブルテレビに加入している人が多いです。

今まで富山県で北陸朝日放送を見るためには、ケーブルテレビに加入するしかありませんでした。
しかし、2022年2月から富山県でフレッツテレビがサービス開始されました。
フレッツテレビでも北陸朝日放送が受信可能です。
フレッツテレビについては詳しくは次の項目、記事を参照してください。

フレッツテレビ

フレッツテレビは、NTTのフレッツ光・ドコモ光やソフトバンク光などを含むコラボ光を利用中の方のみ契約可能なテレビサービスで、ケーブルテレビの地上波・BSが映るコースと同じようなサービスです。

フレッツテレビは基本的にインターネット契約がないと見られません。
ケーブルテレビはインターネット契約なしでも見られます。

ちなみにau光では使えません。
au光テレビというサービスもありますが、あちらはCS放送のみのサービスです。
地上波放送やBS放送は視聴できません。

NTT系の光であれば、料金はすべて同じで、月額825円です。

ひかりテレビというサービスもあり、そちらはCS放送専門です。
富山県でもフレッツテレビが始まる前から提供していました。
ひかりテレビについては下記の記事を参照してください。

フレッツテレビについて【編集中】

フレッツテレビの工事方法

フレッツテレビの工事方法はケーブルテレビとは異なります。
ONU(インターネット用のモデムみたいなもの)から分岐器につなげ、そこからテレビと壁のテレビ端子につなげます。

テレビ端子から壁の中を通って、分配器を通じて各部屋のテレビ端子まで信号を送ります。
そのため、ONUとテレビ端子がそばにない場合は露出配線になってしまいます。




ケーブルテレビについて

ケーブルフロンティアはケーブルテレビに特化した営業会社です。
そのため、ケーブルテレビの知識をより深めていきましょう。

同軸ケーブルとは

ケーブルテレビの線は同軸ケーブルと光ファイバーの二種類があります。
同軸ケーブルはケーブルテレビが始まった当初から使われている線です。
中に銅線が入っており、銅線を通して信号を送ります。



現在ではこの同軸ケーブルから、光ファイバーでのサービスへの切り替えが行われています。
その切替のことを「光移行」と言います。

富山市のケーブルテレビ富山、婦中町と山田村の上婦負ケーブルテレビでは光移行は完全に終了しました。
その他のケーブルテレビ局のNet3、みらーれテレビ、となみ衛星通信テレビ、射水ケーブルネットワーク、高岡ケーブルネットワーク、能越ケーブルネット、NICE TVでは現在も光移行が行われています。


同軸ケーブルは光ファイバーと比べると送れる情報量が少ないです。
そのため、同軸ケーブルでのインターネットは速度が遅いことがありました。
お客様の中でケーブルのインターネットが遅いと思われていることがあるのはそのためです。

また、同軸ケーブルはBS放送の信号をそのまま送ることができません。
周波数が高すぎるため、BS放送を変換して送信します。
変換した放送は専用のチューナーがないと見ることができません。
そのため、BS放送を視聴するためにはSTB(セットトップボックス)というチューナーが必要です。
STBなしでBS放送を視聴するにはパラボラアンテナを設置する必要がありました。

同軸ケーブルでは4K、8K放送は基本的には受信できません。
ケーブルテレビによっては専用の4K対応STBを設置することで受信できます。

光ファイバーとは

光ファイバーは、現在通信で主に使われいる線です。
下の画像のように、光を通せる線です。

通せる情報量が多く、通信速度が速いです。
また、雷を通しにくいという特徴もあります。

NTTのフレッツ光や、ドコモ光などのコラボ光、au光も全て光ファイバー使っています。

また、光ファイバー、BS放送をそのまま送信することができます。
そのためSTBがない部屋でもBS放送が受信できます。
これをBSパススルーといいます。

光ファイバーでは4K、8K放送も送信可能です。
BSパススルーを利用すると、4Kチューナー内蔵テレビの場合は4K放送を受信可能です。

ケーブルテレビの工事方法(同軸ケーブル)

同軸ケーブルでのケーブルテレビの工事は、まず電線を通っているケーブルテレビの線を家の外壁まで引っ張ります。
その外壁までの線を「引込線」と言います。

外壁に「保安器」を取り付けます。
同軸ケーブルは中に銅の線が通っており、非常に雷を通しやすいので、保安器は雷避けの役目があります。

保安器画像

保安器から宅内に同軸ケーブルを入れます。
大体が屋根裏に入線します。新しい家などの場合はお風呂の天井裏などに入線していることが多いです。

そこからブースターにつなげます。
ブースターはテレビ信号を増幅するために必要です。
ブースターがないとテレビ1台しか見られません。

ブースター画像

ブースターから分配器を通して、テレビ線を分岐します。
そこから壁の中を通って各部屋のテレビ端子までつながっています。

光ファイバーでのケーブルテレビ工事方法

光ファイバーでのケーブルテレビの工事方法は、電線を通っている光ファイバーを家の外壁まで引っ張ります。

家の外壁に保安器の代わりにV-ONUという機器を設置します。
V-ONUからテレビ用の同軸ケーブルと、ネットや電話用の光ファイバーへ分岐します。
また、V-ONUにはブースターの機能もついているため、ブースターは不要となります。

V-ONUから出たテレビ用の同軸ケーブルを屋根裏などの宅内に入線します。
その後は同軸ケーブルでのテレビ工事と同様で、分配器を通し、各部屋のテレビ端子までつなげます。

光移行の工事方法

テレビの光移行工事

同軸ケーブルから光ファイバーへ変更する工事方法について解説します。

まずは電線から外壁まで、光ファイバーの引込線を通します。
その後、保安器を取り外し、V-ONUを設置します。
V-ONUと、保安器から宅内まで入線していた同軸ケーブルを接続します。
この間テレビは映らなくなります。

分配器とブースターが設置されている屋根裏などに入り、ブースターを取り外します。
V-ONUにはブースター機能がついており、既存のブースターが不要になるためです。


V-ONUは電源が必要なため、コンセントに電源供給機をつなげます。
既存のブースターも電源が必要なため、今までブースター用に使っていた電源を、V-ONU用の電源供給機で使用するので、今までとコンセントを使用する数は変わりません。

V-ONUの設置する外壁や、ブースターのついていた屋根裏や、お風呂の天井裏には基本コンセントが設置されていないため、テレビ端子のそばのコンセントから電源を取ります。
その後、壁の電源供給機と壁のテレビ端子を接続します。
同軸ケーブルは電気を通すことができるため、壁の中の同軸ケーブルを通って外壁のV-ONUまで電気を送ります。

その後、V-ONUのブースターのレベル調整をします。
テレビ信号が強すぎても弱すぎても綺麗に受信できないため、テレビ台数やケーブルの長さに合わせて調整が必要です。
各部屋のテレビが綺麗に受信できるかチェックします。
以上がテレビの光移行工事方法です。

ネットの光移行工事

ケーブルテレビの同軸インターネットサービスも利用していた場合は、テレビ工事と同時にネットの光移行工事をします。

同軸インターネットは、テレビ用とは別の同軸ケーブルを部屋に入線し、ケーブルモデム(CM)を設置しています。

光移行の時、V-ONUから光ファイバーを出し、ネット用の同軸ケーブルと同じルートで部屋に入線します。
ケーブルモデムを取り外し、代わりにD-ONU(ケーブルテレビの光インターネット用のモデム)を設置します。

既存のインターネット用の同軸ケーブルは取り外すこともあれば、そのまま残置することもあります。
そのまま残置していても使用することは基本ありません。
それはネット用の同軸ケーブルはお客様の持ち物となっているためです。
ですので、取り外さないと光ファイバーが入線できないような場合を除いて、そのままにしています。

光移行工事時の注意点

  • 屋根裏や、天井裏に入ります。テレビの受信確認のため、テレビが設置されているすべての部屋に入ります。
  • 2時間~4時間のお立ち会いが必要です。
  • BSパススルーを利用するとき、壁の中の同軸ケーブルが老朽化している場合などの理由でBSが綺麗に受信できないことがあります。
    BSを綺麗に受信できるようにするためには追加工事費が必要な場合があります。
  • スカパーを利用している場合は、BSパススルーを利用すると、スカパーが視聴できなくなることがあります。
    スカパー用のパラボラアンテナからの線を、部屋に直接穴あけで入線している場合を除き、スカパーを利用している場合はBSパススルーをせずに、BSパスカットする必要があります。
    パラボラアンテナからのBS信号と、ケーブルテレビからのBS信号がぶつかって正常に受信できなくなるからです。